来年度に行われる医学部学士編入試験のうち、島根大学が大きな変更を行いました。
その内容とはズバリ、これからは「2年次編入」も「3年次編入」も両方行っていくというもの。今回はそれを解説+ねらいを解説していきます。
(島根大学の公式発表はコチラ)
詳しく解説!島根大学の学士編入試験の変更点
今までの島根大の試験
- 3年次編入
- 定員10人(3人は地域枠)
- TOEIC/TOEFL不要
という特徴がありました。中でも特に3年次編入は貴重で、国立大学では名古屋・千葉・島根だけでした。
それが来年度の受験から以下のように変更されます。
来年度以降の島根大の試験
- 3年次編入(定員5人)+2年次編入(定員5人)
- 地域枠はそれぞれ2人
- TOEIC 600点以上必須
なんとビックリ、定員を2つに分けたのです。しかも、これは平成32年度入学者向けの試験だけではなく、今後ずっと適応されるようです。
つまり総合成績が良い5人が3年次、その次の5人が2年次ということになります。
変更後の編入試験が与える影響
今回の変更点のポイントとなるのは以下のような項目でしょう。
- どさくさに紛れて地域枠が増枠している
従来は10人中3人が地域枠だったのが、今回から10人中4人が地域枠となっています。このことから、島根大学は面接などでより地域性を重視した選考を行うことが予想されます。
編入生は医師免許を取得したら出身地や都会に戻ってしまうことが多いです。そのため、地域枠を設定することで、少しでも島根の地域医療に貢献する医師が欲しいのでしょう。
- 3年次編入は存在するので旨みは残っている
また3年次編入の定員は半分になりましたが、まだ存在しています。他大学で3年次編入が少ない今、島根大学の最大魅力は3年次編入といっても過言ではありません。そのため、受験者数は大きく減少することはないでしょう。(島根を受験した人曰く「ど田舎過ぎて、3年次じゃなければ行きたくない」と)
- TOEICの足切りが低いが、配点などは不明
TOEICが必須になりました。しかし、足切り点の600点は低すぎてほとんど足切りとしての意味がありません。むしろTOEICスコアがどれほどの配点なのかが重要なのです。しかし残念ながら配点などは公開はされていません。
TOEIC必須化の影響については下に書きます。
TOEIC必須化の影響
医学部学士編入試験では、複数の大学でTOEICやTOEFLが必須です。しかし、実際TOEICの点数がどれほどの加点になるのかはほとんど公表されていません。
しかし近年、TOEIC/TOEFL必須大学に新たな問題が発生しています。それは「英語しかできない人が入学してくる」問題。主に帰国子女が多いです。
弘前大学では、学長自らがこの件に触れておられました。その結果、弘前大学は以前までTOEFLの配点が200点あったのが120点に縮小されました。
金沢大学でも、TOEFLを必須化+足切り点を60点にした年の合格者はほぼ全員が帰国子女だったそうです。中には、解剖学の漢字が読めずに振り仮名をふるほどの帰国子女もいるとのことでした。その結果、次の年からTOEFLの足切り点がなくなりました。
これらのことから、島根大学はやや帰国子女に有利となるかもしれません。しかしながら、
- 足切り点が低すぎる
- TOEICなので、日本人でも十分に対策ができる
- 配点が不明
- 枠が10人もある
などの理由により、TOEFL必須の大学よりも影響は少ないと考えられます。